「働く」の語源から、“働き方改革”を考える

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「働くとは何か」の答えは語源に……なかった笑

語源を知るのが好きだ。きっかけは大学受験のときに英単語を語源で覚えたから。なにかと理屈っぽい性格なもので、丸暗記ってできないんですよね。語源というものがあることを教えてくれた英語の先生には感謝したい。

で、それ以来、日本語でも気になる言葉はちょいちょい調べてみている。「働く」はこのブログの大事なテーマだしってことで、ググってみた。

※調べたところ、そんなに派手なところもない考察になったので、よほど興味ある方以外は、結論部分だけ見てってください。

「はた(傍)をらく(楽)にする」説はフェイク

上位に出てきた記事がいきなりウソだったんでちょっとビックリ。この説は、語源というより言葉遊びだそう。「傍を楽にする=そばにいる人の負担を軽くしてあげる」という説は、ちょっと素敵風にも見えるので、広まりやすかったんだろうな。 とはいえ、「悪事を働く」みたいな、「傍を苦しくする」場合にも使う言葉だし、無理がある説ではある。

あと、よくよく考えると、「傍を楽にする」って若干ブラックにも取れる。他者への奉仕的なニュアンスを定義に含めるの、押し付けがましくないです? もちろん、奉仕的な側面をモチベーションにしてもいいのだけど、一番は自分のためでいいんじゃないって思う。

辞書が推すのは、「はためく」と同語源

日本語源広辞典には、3つの説が載っているそう。(すみません、僕は語源広辞苑買ってないので、人様のブログからの引用です)

説1は,「ハタ(擬音)+らく」。パタパタ動きまわって仕事をする意
説2は,「畑+らく」。畑で仕事をする意,
説3は,「ハタ(果た)+ラク(動詞化,動く)」。成果を目指して動く意

引用元: 剛毅朴訥仁に近し

なかでも説1が濃厚なのだとか。いわゆるオノマトペ。※ちなみに、オノマト辞典で「はたはた」「ぱたぱた」を調べたら、どちらも「続けざまに打ち合わせる音」という意味だった。

「はたはた」を語源とする言葉はほかに、「はためく」とか「旗」など。情報見つからなかったけど、「はたく」もそうかも。あと、口語だけど「ばたつく」ももとはいっしょっぽいな。小刻みな動き、繰り返す動きっていうイメージかな?

「働く」自体にポジティブもネガティブもない

本来、この言葉自体にはポジティブな意味もネガティブな意味もなく、ただただぼんやりとした「動き回る様」を表しているんだと思う。「内臓の働き」とか、「風の働き」、「滑車の働き」みたいに、意志のないものや無生物、人工物にも使うし。

だから、「働き方改革」とかを語る際に、「働きがい」の部分をやたら強調するのは本筋からはズレてるんじゃないかなとも思う。働きがい意外にも、食い扶持とか、社会的ステータスとか、働く意味はいくらでもあるのだし。どれを重視するかは働く人の勝手ってスタンスで制度設計したほうが、「仕事とは楽しいものであるべき」的な“呪い”の犠牲者が減るんじゃなかろうか? 重視すべきは「働きやすさ」と「働き方の多様性の尊重」だというのが個人的結論

※企業単位での話なら、「働きがい」フォーカスも全然いいと思ってます。

※蛇足「語源つまんなくね説」

語源考察、地味だな、フェイク説のほうがおもしろいなと思った方。ある意味、正解です。語源関連は基本地味です。近代にできた新しい概念の言葉ならまだしも、暮らしに密接にかかわる古い言葉の語源には、パッと見のおもしろさはあんまりないです。言葉が誕生する瞬間って、その言葉の意味も曖昧なんですよね。「働くという言葉」と「働くという行為(ないし概念)」のどちらが先にできたかっていうと、当然ながら行為が先です。行為があって、それがコミュニティ内で頻出される行為になることで概念になり、最後に言葉ができる。というのが自然発生的な言葉のでき方なので、ひとつの語源だけ見てもつまんないんですよね。でも、いろいろ調べると、あの言葉とあの言葉がつながってるぞとか気付くようになり、そのうち知らない言葉でもぼんやりした意味までは想像できるようになったりするのです。そこにロマンがあるんですよね。マニアックな自覚はあるので、無理に共感していただかなくてけっこうです笑

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